【就活生必見】証券会社のリテール営業に将来性を感じない4つの理由

証券会社

こんにちは。元証券マンのソムタム(@somtam_aroimaak)です。

僕は新卒で東証一部の証券会社に入社しました。

プロフィールにもあるように、関西にある地方支店に配属されて個人向け営業(リテール営業)を3年半経験した後、東京本社へ異動してマーケットアナリストを2年半担当しました。

後半のマーケットアナリストは、本社の業務ということもあってそこそこ面白い仕事でしたが、リテール営業については辛い思い出ばかりでしかなく、何度も辞めたいと思いがら仕事をしていました。

相場が悪かったせいもありますが、そもそも証券会社のリテール営業に仕事としての魅力があるように思いませんでした。

そこで、今回は、証券会社のリテール営業がどれだけ「将来性なし」「オワコン」なのか、まとめてみたいと思います。

この記事を通じて、

  • 証券会社に就職してリテール営業を担当しようとしている大学生(就活生)
  • 将来的に証券リテール営業に配属される可能性のある証券マン・ウーマン
  • 異業種の営業職から証券会社のリテール営業へ転職・転身をお考えの社会人
  • 証券会社に口座を持っており、営業マンから頻繁に電話が来てうんざりしている方
  • 証券会社の仕組みや実態、裏話が知りたい方

などのお役に立てれば嬉しいです。

ちなみに、断っておくと、証券会社の仕事はリテール営業だけで成り立っているわけではありません。

他にも、企業などの法人向けの営業(ホールセール)や、投資銀行部門(インベストメントバンキング)、リサーチ部門などの業務があります。

今回は、証券会社の仕事の中でも、リテール営業に限った話です。

1.典型的な足で稼ぐビジネス

証券会社のリテール営業は、典型的な「足で稼ぐ」ビジネスです。体力勝負です。

今の時代、ネットやメールですべて事足りそうな気がしますが、リテール営業は決してそうではありません。

例えば、証券会社の新人がリテール営業になってまずやることと言えば「新規開拓」ですが、そのやり方はこうです。

割り当てられた担当地区(テリトリー)の地図を手にしながら、文字通り1丁目1番地から順番にしらみつぶしに訪問して行きます。いわゆる「軒並み訪問」です。

そして、飛び込みで個人宅を訪問して行きます。いわゆる「飛び込み訪問」です。もちろん、事前のアポイントはありません。

この飛び込み訪問は、インターホンを押すところから始まりますが、インターホンを押してすぐに出てきてくれるような心優しい方は極めて稀です。

インターホン越しの会話で、あの手この手で玄関先に出てもらうことを目指します。

イメージとしては、こんな感じです。

「●●証券の××です」

「●●が新規上場するのですが、ご興味はございませんか?」

「新しい投資信託の募集を始めたのですが、少しお話しだけでもいかがでしょうか」

これを1日に200〜300軒で繰り返します。まさにドブ板営業です。

インターホンを押して玄関先に出てきてもらえる確率は、100軒回って数軒ぐらいの割合です。

不在宅が結構な割合を占めるほか、インターホンに気づかない方や居留守もいます。

仮にインターホン越しに話せても、「結構です」「間に合ってます」の一言で切られてしまう。それぐらい厳しい世界です。

そりゃそうですよね、自分に置き換えてみれば当然です。

証券会社の人間が突然やってきて、インターホンが鳴ったからといって、ホイホイと玄関先へ出て行くようなお人好しが世の中にどれだけいるでしょうか。

インターホンを100回押して、お客さんと玄関先で会って話せるのは数軒、その中で具体的に商売につながるような実のある話ができるのはさらにグッと絞られてきます。100軒あって1軒でもあれば万々歳の世界です。

そこから実際に口座開設をしてもらえて、入金、そして証券(株式や投資信託、個人向け国債などの債券)の買い付けまで持っていくのは、もう奇跡と言っても過言でないくらいの至難の業です。

このように、証券会社のリテール営業は、前近代的な泥臭い営業スタイルで行われています。

最近になってタブレット端末などが配られるようになっていますが、基本的なスタイルはもう半世紀近く変わっていません

リテール営業で食べていくには、汗をかきながらひたすら足で稼ぐことが重要です。

そして、個人客と会ってナンボ、気に入られてナンボの世界。

できる営業マンはすべからく「出会って」「気に入られて」ます。

逆にできない営業マンは、何よりもまず「客と出会えていない」ことが多かったりします。

確率論の世界なので、分母を増やす努力ができていないことが大半です。

2.過度な高齢者依存度

新規開拓で軒並み訪問、飛び込み訪問をしてみればすぐに分かることですが、平日の日中に出会える客は、大半が「高齢者」です。

中にはサラリーマン家庭の主婦などもいますが、全体からしてみればわずかです。

そうした主婦は居留守を使うケースも多いため、高齢者に比べて出会える確率はグッと低くなります。

また、新規開拓で獲得する顧客だけでなく、先輩・上司から引き継ぐ顧客も、その大半が高齢者になります。

リテール営業の高齢者依存度はかなりのもので、顧客リストの高齢化は年々酷くなるばかりです。

顧客リストの若返りは証券会社が取り組むべき大きな経営課題の一つでありながら、有効な対策が打てないままジリ貧に陥っているのが、大手も含めて業界全体の傾向です。

相続の相談なども証券会社の業務の一つに入ってくるため、高齢者の「子」世代への接触は顧客囲い込みのチャンスです。

が、高齢者の「子」や「孫」の世代はネット世代であるため、証券会社は手数料の安い「ネット証券」に流れがちです。

いわゆる全国各地に店舗を構えるような伝統的な証券会社には、ネット世代がなかなか寄り付かず、高齢者以外の収入源を育てられていないのが現状です。

日本全体として加速する少子高齢化のあおりを、証券会社は真正面からもろに受けてしまっている格好です。

証券会社のリテール営業の将来見通しは、真っ暗すぎて、悲観以外の何物でもありません。

3.情報弱者を狙い撃ちにしたビジネス

今の時代、ネットの情報や口コミで、基本的なことはだいたい分かる仕組みになっています。

投資の世界で言えば、最近のホットな投資テーマから、有望そうな銘柄、配当利回り、株主優待、証券投資のリスクなど、それらを解説してくれている親切なサイトはたくさん見つかります。

ネット世代にとっては、伝統的な証券会社に頼らずとも、手数料の安いネット証券を利用すれば、自分の興味や関心に沿って資産運用ができる時代です。

例えば、手数料が安い上だけでなく、無料で使えるツールやユニークなサービスを惜しげもなく提供してくれるネット証券として、次のようなものがあります(僕が実際に使っている証券会社です)。

2ヶ月間株式手数料が無料!マルサントレード
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対照的に、伝統的な証券会社は、そうしたネットとは縁遠い年金暮らしの高齢者を相手にビジネスをしているようなものです。

その意味で、リテール営業は、ネット時代における「情報弱者」を狙い撃ちにしたビジネスだとも言えます。

情報弱者を騙しているとまでは言いませんが、高配当、高利回り、株主優待などの魅力を語って、あの手この手で高齢者を勧誘しているのが実態です。

自分で調べれば分かることを、「耳寄りの情報」とばかりに熱く語って納得させる。

ネットで調べればすぐに見つかるような不都合なことはあまり語らずに、有利な側面ばかりを強調する。

高配当も高利回りもリスクや手数料と切り離しては語れないはずが、順番としては二の次、三の次になっています。

4.証券売買によるフロー収入から脱却できない

証券会社のリテール営業は、基本的に前近代的な泥臭い営業スタイルが今も受け継がれていることは先に述べました。

しかし、リテール営業の現場にもじわじわと改革の波が訪れているのも事実です。

コンプライアンスや働き方改革が話題になる昨今、顧客の意向を無視した営業はご法度ですし、営業マンを心身ともに疲弊させるような追い込み型の営業を続けていては、人が定着しません。

そこで、リテール営業の評価体系が最近になって変わりつつあり、「どれだけ顧客から資産を預けてもらったか」という基準が重視されるようになってきました。

「資産を1円でも多く預けてもらえる」=「それだけ顧客からの信頼が厚い」、という評価です。

証券会社の「収入」という面からは、これまでの評価基準は、例えば投資信託を「買い付け」てもらった時に運用会社から入る「販売手数料」の多寡でした。

しかし、それは販売した時にのみ入ってくる一時的な収入です。

投資信託の運用会社はこれ以外にも、「資産残高」に応じた「信託報酬」を販売会社である証券会社に支払っています。

残高を積みませば積みますほど、この信託報酬が証券会社に定期・安定的に入ってきます。

証券会社は、この資産残高を積み増すことで、信託報酬を重視する経営に切り替えようとしています。

一見、リテール営業のビジネスモデルの転換か!?とも思える内容ですが、全面的にそうした残高積み増しの「ストック収入」重視に切り替えられるほど、簡単ではありません。

確かに投資信託は残高を積み増せば積み増すほど、定期・安定的に信託報酬が入ってきますが、ネット証券から銀行に至るまで競合が入り乱れるこの競争時代において、そう簡単に残高を積み増すことはできないのが現実です。

また、証券会社の専売特許である「株式」や「債券(個人向け国債や外国債など)」の残高を積み増しても、信託報酬はありません。

やはり、株式などの証券を顧客に売買してもらうことで入ってくる「フロー収入」は、証券会社にとって喉から手が出るほど「おいしい」のです。

株式を「長期保有」してもらうことを、証券会社では「寝かしている」と表現します。

株式を寝かしたままでは証券会社に入ってくる収入はずっと「ゼロ」です。

しかし、売買さえしてもらえれば、手数料が証券会社に入ります。

例えば、株式が値上がりして、利益確定の「売り」に出してもらえば、証券会社には「売却手数料」が入ります。

また、その売却金額で別の銘柄を購入してもらえば、今度は「買付手数料」が入ってきます。

実は、株式を売却してもらうと同時に買い付けもしてもらう「回転売買」という手法こそ、証券会社のリテール営業が得意とするテクニックの一つなのです。

顧客にすでにある株式を保有してもらっているとします。

ある程度値上がりした時に、利益確定の売りを勧めるのはよくあるケースです。

ただ、売却だけしてその現金を現金のままにしておけば、出金されてしまう可能性があります。

出金されてしまっては、手数料を稼ぐための「道具」「タネ」がなくなるのに等しくなります。

そこで、株式売却によって売却手数料を稼ぐことを目指さず、売却を勧めると同時に新たな銘柄の買い付けをセット提案します。

売却金額をそのまま新規銘柄の買い付けに充当させて、「売却手数料」と「購入手数料」を一緒に稼ぎます。

こうした「売り」と「買い」を繰り返し行ってもらうことで、その都度チャリンチャリンと手数料収入が入ってくる。

この回転売買こそが、証券会社の証券会社らしい最たる部分です。

回転売買は、株式→株式がよくあるパターンですが、投資信託や債券を売却した金額で株式を買い付けてもらったり、その逆に株式売却で投資信託などを買い付けたりと、さまざまなケースがあり得ます。

ストック収入を重視することで変わるかのように見える証券会社のリテール営業ですが、実際はこのような証券の回転売買によるフロー収入の魅力から抜け出し切れていないのが実態です。

しかしながら、そのフロー収入をもたらしてくれる顧客はどんどん高齢化していき、顧客リストの若返りが進まないまま、リストそのものが小さくなっている

反対売買によるフロー収入の追求に面白さややりがいを感じる場面はありますが、しょせんは目先だけの収入であり、長期持続的な収入ではありません。

長期持続的なビジネスへと自己変革しようとはせず、顧客リストの若返りも進めないまま、目先のフロー収入ばかり追いかけているリテール営業は、もはや将来性を感じる部分はありません

ここまでのまとめ

以上、「証券会社のリテール営業に将来性を感じない4つの理由」でした。

もうお分かりの通り、証券会社のリテール営業に「のびしろ」は“なさそう”です

伝統的な証券会社の仕組みや実態を知りたかった方や、証券会社をなんとなく志望している就活生などのお役に立てれば嬉しいです。

僕はリテール営業を3年半やった後、東京本社の調査部門(リサーチ)に異動しますが、その後は証券会社に見切りを付けて、海外就職することになります。

その辺のことも過去に記事にまとめていますので、ご覧ください。

もし質問などがあれば、分かる範囲で答えられますので、お問い合わせください。

なお、伝統的な証券会社、リテール営業こそオワコンですが、世の中の証券会社が全てなくなるとは思っていません。

例えば、全国に支店を構えるような伝統的な証券会社に取って代わるように、ネット証券の存在感が大きくなってきています

もはやネット証券は珍しいものではなく、スマホが普及したことで、スマホを通じて簡単に手軽に、安価に証券投資ができる時代になっています。

異業種からの参入が相次いでいることからも、今後の主流はネット証券であることは間違いないと思います。

例えば、

  • 楽天→楽天証券
  • LINE→LINE証券
  • 丸井グループ→tsumiki証券 など

が異業種からの参入例です。

伝統的な証券会社の一部はすでに支店網の整理、合理化に着手しており、今後は証券マンのリストラやネットの強化にも着手していくものと思われます。

そんなわけで、僕もかつて所属していた証券会社の口座を今も持っていますが、退職直後に持株会で購入していた自社株も含めてネット証券に移管してしまったため、中身は空っぽです(笑)。

今では全面的にネット証券で運用しており、以下のように目的に応じて複数の証券会社を使い分けています。

<元証券マンが口座を持つネット証券>

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詳しくは、次の記事にまとめてありますので、ご覧ください。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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